イケガク スタッフブログ

マンドリン・ギター専門店「イケガク」のスタッフによるブログです。新着情報やイベントのご案内、マンドリン・ギターに関するお役立ち情報などお知らせしていきます。

久保田先生によるピック研究の歴史


久保田先生がマンドリンを始められた中学時代、先生は先輩からの勧めで鼈甲ピックをお使いになっていたそうです。
しかし使っていた鼈甲ピックは厚みがあり硬く、どうにも弾きにくく感じられたそうです。そこで試しに薄く削ってみると、今度は音の深みまで薄くなってしまってしまいました。その時から久保田先生のピックの探求が始まったそうです。
様々なピックを試す中で素材としてセルロイド製のピックが適していると思ったそうですが大きさは良くても固く感じるなど、久保田先生のピック探しは続きました……。
そして、厚さと弾力が共に丁度良いヤマハのソフトナイロンピックにたどり着きました。

しかし、ここで再び壁が立ちはだかります。ヤマハのソフトナイロンピックはギター用だったためサイズが大きかったのです。
そこで丁度良い大きさにカットし、弦が当たる先端だけは削らないよう丁寧に整形し、仕上げには350〜1500番のサンドペーパーを使い分け、滑らかに仕上げられました。クボタピックの原型はここに出来上がったのです。
弾き易い硬さと弾力を備えたピックを久保田先生はご自身でお作りになったのでした。
ちなみに当時のドイツマンドリン協会の副会長から、久保田先生の曲を演奏する際にそのピックが欲しいといわれ、作り方を書いた紙と数枚のサンプルを送ったこともあるそうです。海外からもニーズがあるほど久保田先生が試行錯誤して作られたピックは魅力的だったのですね!