落合マンドリン創業秘話
1963年の創業以来、半世紀以上の歴史を持つ国内有数の工房である落合マンドリン。
その創業者である初代・落合忠男はなぜマンドリン製作の道を歩み始めたのか、イケガク元会長・故 南條猛博の語りでその足跡を辿ります。
※本記事は2013年9月14日「落合マンドリン50周年記念コンサート」パンフレットに掲載された文章をお読みいただきやすく再掲したものになります。
【目次】
語り:株式会社イケガク元会長 故 南條猛博
上京
私が宮崎から上京したのは昭和29年。
今にしてみれば、東京へ出れば何かあるだろう、できるだろう、という恐れを知らない若さゆえの無計画な上京でした。
その時に同じ宮崎で私と非常に深い付き合いをしていたのが落合忠男氏、のちに落合マンドリンを作った男です。
彼は私と同じく東京に夢を求めたのか、もしくは上京する私の世話役を買って出てくれたのか、私と一緒に宮崎を後にしたのです。
二人とも宮崎には戻ってこないつもりで片道切符を買いました。
その頃はまだまだマンドリンとは無関係の人生です。
マンドリンとの出会い
上京してまもなく、本郷にいた後輩の所へ転がり込むようにして新生活の幕が開きました。しばらくは新聞配達で生計を立てていました。
そこで私と落合、そしてマンドリンとの出会いの運命が少しずつ動き始めます。
というのは、その下宿先の親戚筋が渡辺マンドリンの渡辺精次先生でした。
私と落合忠男は二人して渡辺弦楽器へと弟子入りをしました。
渡辺弦楽器で私はコントラバスを、落合はマンドリンを製作していました。
そして2年ほどたった頃でしょうか。私と落合は独立してオリジナルの楽器を作ることを夢に見始めます。
その夢を多くの方が応援して下さいましたが、特に納品先でありました須賀楽器の社長には店舗の中二階を貸して頂きまして、そこで私たちは楽器製作に没頭する日々を過ごしておりました。
工房の創立
落合は機械の扱いを見たいとの動機で名古屋の鈴木バイオリンで働くことにしました。私は東京で一人コントラバスの製作を続けます。
その後、落合はいよいよ自分の手によるマンドリンを製作したいと再上京します。
私としては相棒が戻ってきた嬉しさが何よりもまずこみ上げ、そしてその心強さに「何でもできる!」という想いが心の中で大きくなりました。
当初、工房での暮らしは裕福とは程遠く、食べる物を分かち合う様な日々でした。
銭湯に行くお金もなく真冬に庭先で行水をしたことや、宮崎にいたころは見たこともない雪が積もって、やり方のわからない雪掻きをしたこと、そんな思い出がたくさんあった場所でした。
それでも苦しいとか辛いとか思った事は一度もありません。
常に落合の口から出るのは泣き言ではなく、マンドリンに対する夢と情熱ばかりでした。
巨匠の言葉
そしてある日、落合マンドリンに転機が訪れます。
それは服部正先生に落合マンドリンを見ていただく機会に恵まれたことです。
きっかけは当時の慶應義塾マンドリンクラブのコンサートマスターだった学生が落合マンドリンを使用して下さっていた事から始まりました。
当時慶応義塾マンドリンクラブをご指導されていた服部先生は落合マンドリンを強く推薦して下さったばかりでなく、「この様な素晴らしい楽器ならば、私だけではなく他の先生にも紹介するべきだよ。」と仰って下さいました。
服部先生のお言葉は、落合と私にとって宝物となりました。
そして、当時中央大学音楽研究会マンドリン俱楽部をご指導されていた鈴木静一先生へ落合マンドリンをお見せする事となったのです。
その頃、鈴木先生に対する私共の印象は、音楽にも楽器にもとにかく厳しい方であるという事でした。
どの様な反応をされるのか、不安と緊張に押しつぶされそうにもなりましたが、服部先生からいただいていた「素晴らしい楽器ですよ」とのお言葉が私たちの背中を強く押してくれました。
そんな私と落合の心情を知る由もなく、鈴木先生が最初に示された反応は強いお叱りでした。
それでも、その時のお叱りほど嬉しかったことはございません。
なぜならそのお叱りになられた内容は「こんなに良いマンドリンをなぜもっと早く私に持ってこなかったのだ!」という事だったのです。
そして後に「落合マンドリンを使っていないクラブには私は教えに行かない!」とまで鈴木先生は仰って下さったのです。
私達二人の気持ちは嬉しさから感謝へと変わりました。
それは落合マンドリンを評価していただいた先生方への感謝、応援して下さった多くの方々、そしてマンドリン製作へと導いてくれた全てのご縁に対する感謝でした。
さらなる夢
それからしばらくして、多くの先生方からのご好評を賜ることができ、お陰様で落合マンドリンを愛用して下さる方は増えていきました。
蕨市に工房を構えて2 年程経った頃の事でした。
本当にありがたい事にご注文の台数も増え、落合は製作に明け暮れる日々となりました。
私はその時に「自分の楽器を多くの人に使ってもらう」という私と落合の抱いていた「夢」が実現したのだと感じました。
しかし落合がその頃に抱いていた「夢」は「もっともっと、更に楽器を向上させる!」というものでした。
落合の「夢」は終わっていなかったのです。
そんな夢を実現させる為には、その頃の工房では条件的に難しく、落合は宮崎に戻り、そこで工房を構え製作活動に専念することとなりました。
一方私は東京に残り、落合マンドリンを販売していく事を使命とする決意を固めました。
そして何年かして「いけぶくろ楽器㈱」を3 人の共同経営者と共に池袋に設立しました。
以来、落合は宮崎で製作を、私は東京で販売をすることとなったのです。
宮崎に戻ってから落合の楽器製作に対する情熱は一段と強くなりました。色々な先生方のご意見を貪欲に求める様にもなりました。
とりわけ服部正先生、鈴木静一先生、中野二郎先生はとても積極的にアドバイスをして下さりました。先生方のご意見に対して、落合はいつも謙虚に、そして素直に従いました。
そこには多くの職人に見受けられる自分の技術に対する過信や慢心は一切ありませんでした。ただひたすらに「より優れた楽器」を求めていました。
そのような強い探求心は現在の落合マンドリン当代・落合大悟郎氏へと引き継がれます。
二代目 大悟郎
落合は長男である大悟郎に、「楽器を製作するために販売の現場を知れ!楽器を弾く人たちの顔を見ろ!」と東京にいる私のもとへと送り出します。
今から30 年ほど前の事です。
その時に宮崎から堀ノ江太という落合大悟郎の幼馴染みが一緒に上京してきました。かつて落合と私がそうしたように片道切符で…。
現在は㈱イケガクの社長として堀ノ江は楽器を販売し、そして落合絃楽器では落合大悟郎が数名の職人たちと、そして大悟郎の弟である三四郎氏と共に楽器製作の道を歩み続けています。
今もなお、私共が落合マンドリンをご紹介することができるのは、この工房の皆の日々の努力があってこそです。
落合大悟郎
落合三四郎
終わりに
落合は釣りが好きでした。船を出し、竿を用いずに針と糸のみの手釣りで鯛を上げるその姿は趣味の釣りというよりも漁の様でした。
そして釣りをしている最中もずっと楽器の話をしていたものです。とにかく何をしていても考えているのは楽器のことばかりでした。
そんな落合が癌で命を落とす前にしていた話を思い出します。
それは私と落合が二人で釣りをしていた船の上でのことでした。
「いつか自分たちの船で海へ出て、そして釣りをしたい。」
残念ながらその夢を実現する前に彼はこの世を後にしました。
ですがもう一つの夢である「素晴らしい楽器をつくり落合マンドリンの名を皆に知ってもらう」という夢は当代落合大悟郎が成し遂げてくれました。
それでもなお「更なる向上を!」という先代の想いを胸に、これからも落合マンドリンは進化を続けていく事と確信しております。
2013年9月14日 「落合マンドリン50周年記念コンサート」パンフレットより
落合マンドリン カタログPDF↓
http://www.ikegaku.co.jp/ochiai_catalog2019.pdf
落合マンドリン推薦文・推薦者プロフィール↓
http://www.ikegaku.co.jp/ochiai_suisen.htm
【初心者向け】駒がずれてしまったらーマンドリンの駒解説ー
マンドリンの駒は音程や弾きやすさに直結する非常に重要なパーツ!
今回は初心者の方向けに駒に関する必須知識を解説していきます!
【目次】
①駒とは?
「サウンドホール」と呼ばれる穴の下にある弦が乗っているパーツで、「ブリッジ」とも呼びます。
基本的に白い部分は牛骨、黒い部分は黒檀(こくたん)と呼ばれる木で作られます。
駒は楽器に接着されているのではなく、弦の張力だけで楽器に付いているので、実は手で簡単に動かすことができます。
これにより、駒を動かすことで音程を調節できたり、駒自体の調整・交換がしやすかったり、様々なメリットがあります。
※ヴァイオリンなどの駒も同様です。
また、駒をよく見ると横一直線ではなく、少しデコボコしているのがわかるかと思います。
これは弦長(ナットから駒までの長さ)を弦ごとに調整することで、音程をより正確しているためです。これがないと、ハイポジションにいくにつれてどんどん音が高くなったり、あるいは低くなったりしてしまいます。
ピッチ補正とも呼び、エレキギターなどでも同じ仕様をしています。
駒の形状は楽器の種類や弦の種類によっても変わり、例えばマンドラの駒はマンドリンとは全然違う形をしています。
駒と弦が触れている溝の部分はとてもデリケートで、汚れやほこりが入ったりすると音の響きが悪くなることも…
駒には普段はあまり触らないようにするのがおすすめです!
②駒がとれてしまったら
ほとんどの方は駒が取れないよう、弦交換の際は1本ずつ交換していると思います。
しかし、なかには「弦を交換しているときに、うっかり駒を取ってしまった!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなときはこちらの動画をご覧ください!↓
駒が取れてしまったときは動画を参考に、落ち着いて元の場所に戻してみましょう!
③はじめての駒合わせにチャレンジ
「チューニングしても弦を押さえるとズレている気がする…」
そんなときは駒の位置が正しくない可能性があります。
※駒は特に触らなくても弦の張力や摩擦で、少しずつですが自然と動くことがあります。
動画を参考に、駒の位置合わせに挑戦してみましょう!
この駒の位置合わせをイケガクでは「駒合わせ」「ブリッジ合わせ」と呼んでいます。
駒が上(サウンドホール側)に行くと弦を押さえた時の音が高く、反対に下(テールピース側)に行くと低くなります。
最初はチューナーを使いながら、少しずつ動かしてみましょう!
④最後に
駒はとても大切なパーツで、マンドリンと駒合わせは切っても切れないものです。
イケガクでは駒合わせは無料で行っていますので、不安に感じることがあればお気軽にご相談ください!
最後までお読みいただきありがとうございました!
筆者:名取 建(なとり けん)
【全51種】アランフェスケース色見本一覧
アランフェスケースの色見本、全51種の写真を掲載!
ケースをご注文する際はご参考にしていただければ幸いです。
【ご注意事項】
※マンドリン・マンドラ・マンドロンチェロ・ギター用ケースで製作できるカラーです。
※写真と実物の色味は異なる場合がございますので、予めご了承くださいませ。
※店頭には色見本現物をご用意しております。
※名称がなく、番号のみのカラーもございます。
【目次】
①赤系
042(ピンク) 041(パステルピンク) 038 037(オレンジ)
049(ラフフィニッシュ赤) 047(レッド) 044 043(チェリーレッド)
②青系
053(ブルー) 052(ライトブルー) 051(パステルブルー)
058 055 054
③緑・紫系
065 063(グリーン) 062(ライムグリーン) 061(パステルグリーン)
075(ウィステリア) 074(アメジスト) 073(パープル) 071(ラベンダー) 069
④黒・グレーその他
084 083 082(ブラック)
089(ガーネット) 088 087 085(ラフフィニッシュ黒)
⑤カーボン・淡色
カーボンスペシャル黒 093 カーボンスペシャル青 カーボンスペシャル赤
※「カーボンスペシャル」グレードのみ
2177 2100 2007 2033
⑥白・シルバー系
015 014(ラフフィニッシュ白) 012 011(ホワイト)
024 023(ラフフィニッシュシルバー) 021(シルバー)
⑦黄・ゴールド系
034 033(イエロー) 032(レモンイエロー) (パステルイエロー)
036(ラフフィニッシュゴールド) 035(ゴールド)
※ケースの特注は6ヵ月程度お時間を頂く場合がございます。
※詳細はイケガクまでお問い合わせくださいませ。
イケガクWEBショップリンク↓
イケガク インターネットショッピング / マンドロンチェロケース
筆者:名取 建(なとり けん)
フレットすり減っていませんか?ーマンドリン・ギターの大切なメンテナンスー
「フレット」とは指板に複数打ち込まれている金属の棒状のパーツのことで、マンドリンやギターなど、フレットがある楽器を総称して「フレット楽器」と呼ぶこともあります。
フレットがあれば、ピアノの鍵盤を押すように、楽に正確な音程で音を出すことができます。
※反対にバイオリン等のフレットがない楽器は指と耳の感覚だけで音程を取らなければならず、難易度が高いと言えます。
とても便利なフレットですが、実は楽器を弾くうえでは注意が必要になるポイントでもあります。今回はそんなフレットのメンテナンスについて、詳しく解説していきます!
【目次】
①フレットは消耗品
一見、金属製でとても頑丈に見えるフレットですが、実は長い目で見れば消耗品となります。何年も弾いていると左手の弦を押さえる力で徐々にすり減っていき、消耗してしまいます。
すり減るスピードには個人差があり、押さえる力が強い方や、頻繁に弾いている楽器ほどフレットの消耗スピードは速くなります。
早ければ新品の状態から1~2年ほどでも多少のメンテナンスが必要になる場合もあります。
フレットが減ると弦の下にへこみができます↓
②フレットがすり減るとどうなるか
フレットが減り始めると、最初は半円状の断面だったのが、徐々に頂点が平らな台形の様な形に近づいてきます。そうなると弦を押さえたときにフレットと弦が触れる面積が大きくなり、音の余韻(=サステイン)が短くなったり、キンキンとした音色になったりします。
さらにフレットの消耗が進むと、ビリビリとした雑音が鳴ってしまったり、音が出なくなってしまうことも…
また、フレットは均等に減っていくわけではなく、頻繁に使うところほど減ります。
マンドリンではA線のロ―ポジション(5フレットあたりまで)、ギターでは3弦の2フレットなどが特に減りやすく、「特定の音を押さえた時だけビリついた雑音が鳴る」というのはフレットの消耗が原因の可能性が高いです。
「最近雑音が鳴りやすくなってきた」「音の伸びが悪くなってきた」という方はフレットのメンテナンスが必要かもしれません。
よく演奏される方ほど、フレットの状態には注意が必要です!
③フレットの修理方法
フレットが減ってしまい、演奏に支障をきたす場合は楽器店でのメンテナンスが必要になります。
ここではその方法を2つご紹介いたします!
〇フレット交換
その名の通り、減ってしまったフレットをすべて取り外し、新しいフレットに交換する修理です。
フレットを外した際に指板の反りも修正するので、ネックが反ってしまった楽器もこちらのご修理が必要になります。
使用頻度にもよりますが、マンドリンの場合は5~10年ほどでフレット交換を推奨するケースが多いです。
ネックやフレット周りはほとんど新品同様のコンディションになりますので、楽器の状態を良くしたい方には非常におすすめのご修理となっています!
〇フレットすり合わせ(フレット調整)
すり減ってしまったフレットを削り、高さや形状を整える修理方法です。
フレット交換に比べ、費用を抑えられ納期も短いのが何よりもメリット。
ただ、フレットを削って整えるので、ある程度フレットが残っていないと十分な効果を得られず実施ができないこともあります。
また、フレットすり合わせをするとフレットは小さくなってしまうため、繰り返し行うのは難しいご修理です。
最後に
頑丈に見えるフレットも、いつかは交換が必要になるもの。
フレットが減るのはたくさん弾いた証でもありますが、メンテナンスをすればさらに良い音で演奏をお楽しみいただけます。
楽器の音に少しでも違和感があれば、ぜひイケガクまでお気軽にご相談ください!
最後までお読みいただきありがとうございました!
ご修理メンテナンスについてのご案内はこちら↓
http://www.ikegaku.co.jp/repair.htm
筆者:名取 建
YouTubeで楽しむ海外マンドリニスト演奏3選
家で過ごす時間が増えるなか、「気が付いたら数時間YouTubeをみてる」なんてことがある人も多いのではないでしょうか?
そこで今回はYouTubeで楽しめる海外のトップマンドリニストたちの演奏3選をご紹介!
一流のプレイヤーたちの演奏はまさに必聴のクオリティ。
クラシック、ブルーグラス、ジャズなどジャンルの壁を越えてお楽しみください!
①Hamilton de Holanda アミルトン・ヂ・オランダ
ブラジルのトッププレイヤーであるアミルトン・ヂ・オランダ。
10弦5コースのバンドリン(南米でのマンドリン)を使用し、その道では第一人者とも称されます。
ブラジル音楽であるショーロとジャズを融合した演奏で知られ、その超絶テクニックは聴く人に衝撃を与えてくれるでしょう!
②Chris Thile クリス・シーリ
クリス・シーリはフラットマンドリンの本場アメリカを代表するマンドリニスト。
ブルーグラスミュージシャンでありながらジャズやクラシックの要素も取り入れたスタイルは絶大な人気を誇ります。
動画はベーシストであるエドガー・メイヤーとのデュオ。
マンドリンとコントラバス、それぞれ一流のプレイヤーの共演をお楽しみください!
③Avi Avital アヴィ・アヴィタル
最後は日本のマンドリンファンの中でも人気の高いアヴィ・アヴィタルをご紹介!
イスラエル出身で、グラミー賞にノミネートされたマンドリニストとしても有名。
日本でも複数回公演しており、2018年には読売日本交響楽団とも共演しています。
特徴的な楽器はイスラエルの製作家「Arik Kerman」の作品。イスラエルのプレイヤーの多くはこの楽器を使用しているようです。
いかがでしたでしょうか?
日本のマンドリンファンにはあまりなじみがないジャンルだったかもしれませんが、だからこそ少しでも驚きや感動があれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
筆者:名取 建
【国内】マンドリンコンクールまとめ
楽器は弾くだけでも楽しいけれど、時には腕試しをしたくなるもの…
そこで今回は現在国内で開催されているマンドリンコンクールをご紹介!
それぞれ主催団体のリンクを掲載いたしますので、ぜひご覧ください!
〇独奏・アンサンブル
「日本マンドリン独奏コンクール」
主催:一般社団法人日本マンドリン連盟
参加資格:制限なし
1968年から開催されている、歴史と伝統ある最も著名なコンクール。歴代入賞者にはプロマンドリニストの名前が並び、正にプロへの登竜門と言えます。
由緒あるコンクールですが特に年齢などの出場資格の制限はなく、どなたでも何歳からでもチャレンジができます。
隔年での開催となっており、2020年は延期となりましたが2021年11月28日に第27回の2次予選および本選が開催予定となっております。
※第27回1次予選録音審査は終了
リンク:
一般社団法人 - japanmandolinunion ページ!
「東北マンドリン独奏コンクール&アンサンブル競演会」
参加資格:制限なし(独奏A部門)
一般向けの独奏A部門、東北在住の大学2年生以下対象の独奏B部門、東北拠点の団体対象のアンサンブル競演会があり、直近では2021年7月に開催されました。
開催地は東北ですがA部門では特に東北在住でない方も参加ができます。
※参加者多数となった場合には例外もあるようです。
リンク:
2021東北マンドリン独奏コンクール&アンサンブル競演会 - 日本マンドリン連盟東北支部
「九州支部独奏コンクール」
参加資格:制限なし
2020年で第37回を数える歴史あるコンクールで、こちらも九州在住でなくても参加ができます。マンドリンだけでなくマンドラ・マンドロンチェロ・マンドリュート(リュートモデルノ)で出場でき、自由曲1曲のみの審査となります。
リンク:
近年は開催されておりませんが、NPO法人アルテマンドリニスティカ主催の「ARTE国際マンドリンフェスティバル&コンクール」では数々の海外マンドリニストも参加し、入賞していました。
リンク:
国際コンクール | ARTE MANDOLINISTICA 公式ウェブサイト
〇合奏
「全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクール」
参加資格:高等学校の部活動(5名以上)
※地方大会の推薦または録音審査の通過が必要
毎年大阪にて開催されている高校ギター・マンドリンクラブの全国大会。
2012年までは「全国高校ギターマンドリンフェスティバル」という名称でしたが、2013年から現在の形式となりました。
予選にあたる地方大会も開催されており、「広島」「兵庫」「京阪」「東海」「群馬」「長野」の6大会があります。
マンドリンのコンクールの中では規模・参加人数も最大で注目度が高く、「マンドリンの甲子園」とも言われる大会です。
リンク:
また、こちらも近年の開催はありませんが、NPO法人アルテマンドリニスティカ主催の「全国マンドリン合奏コンクール」では学生部門と一般部門があり、学生でなくても参加ができました。
リンク:
※大会のレギュレーション等は変更になる場合がございます。
詳しくはリンク先ページをご確認ください。
今回はマンドリンの主要なコンクールをご紹介させていただきました!
出場制限がないものがほとんどですので、誰でも、いつからでもチャレンジできるのがマンドリンコンクールの素晴らしい点。
興味がある方はぜひ一歩踏み出してみてください!
筆者:名取 建
【初心者の方向け】専門店がおすすめするマンドリンの選び方
今回は初心者の方向けに楽器の選び方について、専門店ならではの観点から長年お客様にお伝えしていることをご紹介いたします!
「マンドリンに興味あるけど、いくらぐらいするの?」「どうやって選べばいいの?」という方はとてもご参考になるのではないかと思います!
それでは、楽器選びに欠かせないポイントを大きく3点に分けて解説していきます!
①価格
楽器を選ぶ際に、価格はなんと言っても外せないポイントです。
マンドリンはお求めやすいものだと定価71,500円(税込)から、高級なものは100万円以上のものもあります。
これは使われている材料の質の影響が大きく、高級なものほど上質な木材が使用されているということになります。
おおよその相場としては、10万円程度までが初心者向けとして販売されていることが多く、20万円程度から有名メーカー手工品のエントリークラスなどがお求めいただけます!
「まずはなるべく予算をかけないで始めたい」「気軽に始めたい!」という方にはこちらの2モデルがおすすめです!
〇プレストリマンドリン 定価71,500円
イケガク インターネットショッピング / プレストリマンドリン
新品のマンドリンでは最安値でありながら、1台1台を熟練の職人が調整し、抜群の音程精度と耐久性を実現しています。
〇KANADEマンドリン 定価132,000円(税込)
イケガク インターネットショッピング / KANADEマンドリン
イケガクオリジナルの国産モデル。初心者の方にも弾きやすく、柔らかな音色をお楽しみいただけます。サウンドホールには装飾が入り、見た目にも綺麗な仕様です。
手工品にあたるマンドリンであれば、まさしく「一生モノ」。
「買い替えは考えてないから初めから良いものを」「せっかくだから良い楽器で始めたい」という方はこちらがおすすめです!
〇落合マンドリンM-8 定価220,000円(税込)
イケガク インターネットショッピング / 落合マンドリンM-8
数々のプロマンドリニストが愛用する「落合マンドリン」のエントリーモデル。
弾きやすさもさることながら、豊かな音量と遠達性のある響きでプロから入門者の方まで長年愛されています。
②材質
マンドリンをいくつか見てみると、裏側(ボディ)が茶色いもの、白いものの2種類あることがわかります。これは色を塗っているのではなく、木材の種類そのものが違うんです!
茶色い木が「ローズウッド」、白い木が「メイプル」で、それぞれの特徴を含めてご紹介します!
〇ローズウッド
ギターの横裏板にも使用され、メイプルに比べ重さのある木材。
ローズウッドのマンドリンは「煌びやかな音色」「芯のある音色」と言われることが多いです。
〇メイプル
メイプルとはカエデの木のこと。メイプルシロップで聴き馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
ヴァイオリンにも使用され、ローズウッドに比べ軽い木材。
メイプルのマンドリンは「柔らかな音色」「軽やかな音色」と言われることが多いです。
楽器の音色や響きはメーカーによっても様々ですが、楽器を選ぶ際はぜひ材質にも注目してみてください!
③新品 or 中古
これまで新品の楽器をご紹介してきましたが、特にこだわりがなければ中古という選択肢もあります。中古は新品に比べると5~7割の価格になっていることが多く、リーズナブルにお求めいただけます。
また、年月が経過することで新品には出せない円熟した響きの楽器もあります。
ただし、ご注意点としては前のオーナーが使用している分、傷やへこみ、フレットなどパーツの消耗や、ネック反りなどの変化がある場合も…
そういった楽器のコンディションもスタッフがご説明しておりますので、特に中古の楽器は実際に試奏してからご購入されるのをおすすめしています。
※イケガクでは割れや著しく演奏に支障をきたすトラブルはすべてメンテナンスしてから販売していますので、ご安心してお求めいただけます!
中古品ラインナップはこちら↓
最後に
今回は楽器選びのポイントをご紹介いたしました!
実際に楽器を選ぶ際はやはり試奏したいもの…
試奏の時は、いつも練習している曲を弾いたり、低音から高音まで幅広く鳴らしてみるのがおすすめですが、構えたときの印象や見た目の好みも大切です!
ご来店が難しい方にはご自宅で試奏ができる「おうちで試奏」、スタッフが試奏し動画をお届けする「試奏代行」のサービスもありますので、ぜひご利用ください!
ご依頼はこちら↓
楽器を選ぶことは悩ましくも、とても楽しいこと。
ぜひこの記事を参考に、マンドリンライフを楽しんでください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
初心者の方におすすめの商品はこちら↓
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筆者:名取 建
1993年生まれ。中学校でフォークギターを始めたのをきっかけにマンドリンクラブがある高校に進学。
マンドリン、ギターに限らずウクレレ、アルトサックスやコントラバス
ビギナーの気持ちを忘れず、これから楽器を始める方に最高の出会いを届けるため日々奮闘中!